国道ピックとのりもの

ホンダ・ジャズ


主要諸元

全長×全幅×全高(o):1910×775×995

ホイールベース(o):1325

最低地上高(o):135

シート高(o):600

車両重量/乾燥重量(s):83/77

乗車定員(人):1

燃料消費率(q/L)30q/h定地走行テスト値:110.5

最小回転半径(m):2.1

エンジン形式:空冷・4サイクル・OHC・単気筒

総排気量(p3):49

内径×行程(o):39.0×41.4

圧縮比:10

最高出力(PS/rpm):4.0/7500

最大トルク(kgm/rpm):0.43/6000

キャブレター形式:PB90

始動方式:キック式

点火装置形式:CDI式マグネット点火

潤滑方式:圧送飛沫併用式

潤滑油容量(L):0.8

燃料タンク容量(L):6

クラッチ形式:湿式単板コイルスプリング

変速機形式:常時噛合式4段リターン

変速比・1速:3.727

2速:1.937

3速:1.35

4速:1.09

減速比(1次/2次):4.312/3.071

キャスター(度)/トレール(o):34°00′/107

タイヤサイズ前/後:2.50-16 36L / 4.50-12 61J

ブレーキ形式前/後:機械式リーディング・トレーリング/機械式リーディング・トレーリング

懸架方式前/後:テレスコピック式/スイングアーム式

フレーム形式:ダブルクレードル



 記念すべき私の第一号の二輪車は、ジャズ。

 実は、幼少のころはトラックやバスが好きで、中学高校生になってようやく乗用車に目覚めたが、大学生になったころまでは、バイクに興味はなかった。だんだん小さくなっていく過程が面白いが。大学で一人暮らしを始めるに当たり、クルマなんか持てるなんて考えられず、アシとして原付を検討始めたのだが、その時少しだけ興味があったのが、ホンダ・モンキーやゴリラ、いわゆる4ミニだった。しかし、肝心の免許取得がずれ込む。
 その間、周りの友人が先に原付を探し始め、妄想だけで4ミニを推した結果、一人がホンダ・マグナ50を買ってしまう。その時、こちらも軽い気持ちでマグナ50とジャズが並んでいたら、おもしろいみたいなことを言っていたみたいだ。
 遅れて、いよいよ免許を取得し、アシとしてバイクを探す段になって、今度は猛烈に復讐を受けることとなる。個人的には、4ミニにしようとは思ったが、ホンダ・モトラやモンキーR、ダックス・ホンダなんかでもよかった。でも、強烈なアタックがあり、たまたまきれいなジャズがバイク屋にあったことから、最初のバイクとして迎え入れることとなった。

 所詮は原付である。自動車ではない。道路交通法からも、実際の道路交通からも、はみ出し以外の何物でもなく、ゆえに逆に危ない存在であったりもする原付である。でも、初めての二輪車は楽しかった。動力を得て、どこまでも行ける気がした。片道200qくらいは軽くこなした。
 マグナ50と並べてうっとりするのも楽しかった。似たようなカテゴリーにくくられる、しかしわずかな違いが際立つ兄弟車を揃えるって、すごく面白いじゃない。よく、意味もなく深夜の街を流したよ。あんまりその様子が楽しそうだったからだろうか、いつのまにやら周りには、ダックス、ホンダ・ゴリラと、4台の4ミニが揃った。中型二輪を持っているのに、わざわざホンダ・ベンリィを借りてきて、4ミニばかりで兵庫県内をぐるっと一周したこともあったっけ。

 この時の仲間が、結局大学卒業後もバイクでなんだかんだ付き合いが続いているんだ。

 かわいいジャズ、よく声も掛けられた。深夜にR2で信号待ちをしていると、横に並んだメルセデスの窓が開く。一瞬緊張が走るわけだが、「にいちゃん、それかわいいなぁ!」なぁんてこともあった。
 動力性能はそれなりだけれど、軽さとリミッターが効いていなかったからか、マグナ50より少し速い気がした。燃費もすこぶるよくて、街乗りで50q/Lほど、最高で77.7km/Lを記録したこともあった。

 しかし、原付の縛りだけは結局克服できなかった。

 30km/h制限はそれ自体、他の流れとの調和を乱すものだし、むしろ一般のドライバーからはそれゆえに原付自体が邪魔者として見られる。二段階右折も、禁止されている交差点が時々あったりして、走る前から経路を考えなければならぬ。
 どうにも我慢ならなくなって、最後は結局、ヤマハ・JOGに乗るつれに譲り、そしてしばらくしてバイク自体、いったん降りることになってしまう。

 ただね。ジャズがすごく楽しかったからこそ、そこでめげず、改めて免許を取ろうって気にもなり、最終的には現在にもつながっている。最初っから実用本位でスクーターなんかにしていたら、今のバイクライフはなかっただろう。