国道ピックとのりもの

カワサキ・スーパーシェルパ


主要諸元

全長×全幅×全高(o):2060×780×1130

ホイールベース(o):1360

最低地上高(o):265

シート高(o):810

車両重量/乾燥重量(s):-/111

乗車定員(人):2

燃料消費率(q/L)60q/h定地走行テスト値:48.0

最小回転半径(m):1.8

エンジン形式:空冷・4サイクル・単気筒・DOHC4バルブ

総排気量(p3):249

内径×行程(o):72.0×61.2

圧縮比:9.3

最高出力(PS/rpm):26/8000

最大トルク(kgm/rpm):2.6/6500

キャブレター形式:MIKUNI BST34

始動方式:セル式

点火装置形式:DC-CDI

潤滑方式:ウェットサンプ

潤滑油容量(L):1.5

燃料タンク容量(L):9.0

クラッチ形式:湿式多板

変速機形式:常時噛合式6段リターン

変速比・1速:3.090

2速:2.125

3速:1.500

4速:1.148

5速:0.961

6速:0.851

減速比(1次/2次):2.800/3.071

キャスター(度)/トレール(o):28°/107

タイヤサイズ前/後:2.75-21 45P/4.10-18 59P

ブレーキ形式前/後:油圧ディスク/油圧ディスク

懸架方式前/後:テレスコピック式/スイング・アーム式(ユニ・トラック)

フレーム形式:セミダブルクレードル



 久々の4st、である。林道を頻繁に走るようになってから、どうも、ゲロ道では4stの方が楽だなぁ、と思い始めたころ、ホンダ・CRM250ARの調子が悪くなった。ARはとてもいいマシンだけれど、しかし、生産中止から15年ほどというのに、近年重要パーツの欠品が出すぎてホンダの良心を疑う。
 また、林道のせいで頻度が減ったとはいえ、ガススタが大量に廃業している中での酷道探索には、ARは2stとしてはいいけれども、航続距離は常に心配だった。
 ということで、22台振りに4stの、トレールを探すことにした。
 候補としては、ARの代替で、オフも走るけど高速を使って長距離移動もしたい。ARはゲロでは重くてシート高が高く、大変だったから、軽くて足付きもよい、ヤマハ・セロー225から始まるトレッキング系を軸に考えることに。ホンダでは、XR230、SL230、から、ちょっと古くはXL250ディグリー、スズキならジェベル200あたりか。しかしそれらはいずれも、高速道路は少々苦手。そんな中、本命として選定したのは、上限の排気量250tを持つ、しかもDOHCを積んだカワサキ・スーパーシェルパ。

 初期モデルはもっと軽いのだけれど、手にしたのは111sで、ARよりはずいぶん軽い。シート高も810oと、身長170pの小生で両足ほぼべったりである。まわりには、ずいぶんとセロー225を推されたのだが、確かに、法定速度っていうなら高速道路だってなんの不足もないのだけれども、ぶん回してもバタバタするだけという、いかにも実用なエンジンフィールに対し、さすがはDOHC、気持ちよく回り切る。もっとも、250tシングルなので、高速道路に関しては知れているけど。
 一方で、スペックで見る限りではギア比まで含めて想像できなかったが、極低速でのトルク感はセロー225にはかなわない。あぁ、もうダメぇ〜ってギリのところでセロ225ーは踏ん張りがきくけど、シェルパはあっさり落ちる。もちろん、走っている分には回転を稼いでしまえば結果同じことだけれど、ゲロでは止まってからの再スタートが難儀だ、という性質上、シェルパの方が弱いのは否めない。
 燃費はすこぶるよろしい。30km/Lはあたりまえ。リザーブに入るのが6L/9Lと、ちょっと早いのが気に食わんが、そこまででも軽く200qは走る。
 アシは、KDX125SRで感じたところの、直進安定性が高め、という傾向が貫かれているようだ。ギャップや浮いた石を拾っても、ある程度ハンドル任せでまっすぐ進んでくれる。ただ、重量がKDXより重いぶん、ミスった時の跳ね方も大げさで、わずかとはいえ重量の不利が出ているか。その点では、セロー225は、シェルパより跳ねるが、理にかなった動きをしてくれるのと、軽さとあいまって、好みがあろうが御しやすいかもしれない。

 結局、小生はゲロ用にホンダ・TLM220Rとホンダ・CRM80がある中で、高速道路も快適に走れて…という用途であったから、シェルパでいいのだけれど、もし、1台だけ、少なくともオフ車1台というのなら、セロー225の方が、世間の噂通り、いい、ということなのだろう。