国道ピックとのりもの

ヤマハ・DT230ランツァ


主要諸元

全長×全幅×全高(o):2140×800×1200

ホイールベース(o):1410

最低地上高(o):300

シート高(o):865

車両重量/乾燥重量(s):130/114

乗車定員(人):2

燃料消費率(q/L)60q/h定地走行テスト値:40.0

最小回転半径(m):2.1

エンジン形式:水冷・2サイクル・単気筒・クランクケースリードバルブ

総排気量(p3):224

内径×行程(o):66.8×64.0

圧縮比:6.5

最高出力(PS/rpm):40/8500

最大トルク(kgm/rpm):3.7/7500

キャブレター形式:TM30SS

始動方式:セル式

点火装置形式:CDI式

潤滑方式:分離潤滑方式

潤滑油容量(L):1.3

燃料タンク容量(L):11

クラッチ形式:湿式多板

変速機形式:リターン式6段

変速比・1速:2.750

2速:1.875

3速:1.411

4速:1.141

5速:0.956

6速:0.818

減速比(1次/2次):2.571/3.437

キャスター(度)/トレール(o):27°00′/114

タイヤサイズ前/後:3.00-21 51P/4.60-18 63P

ブレーキ形式前/後:油圧ディスク/油圧ディスク

懸架方式前/後:-/-

フレーム形式:セミダブルクレードル



 人生で最初の道交法上の自動車であるバイク、ホンダ・CRM250ARでは、実は最初のツーリングで、出だしの吹田SAにて、立ちごけをやらかした。足が付かなかったのね。それがトラウマ…じゃないが、足付きはすんごい気にしていた。ヤマハ・TDR250に乗って、林道って楽しいかもって思って、周りにオフ車買わせておきながら、自分はしばらくオフっぽいスクーターでお茶を濁したりしていたのだが、ちゃんと走ろうってことで改めてオフ車探しをすることになったのが、2005年か。すでに2st信者ではあったが、一方ARでの立ちごけの悪夢は、特にダートを走るとなれば拭い去ることができず、で、ヤマハ・セローの2st版との売り込みだったランツァをチョイスしたんだ。初心者には、モトクロッサーレプリカと、トレッキングとの違いなど判るわけもないが、少なくとも足が地面に無理なく届くというのは極めて安心だった。

 前オーナーは、おとなしくロードで乗っていたようで、状態はピカピカ、タイヤはロード寄りのダンロップ・D605を履いていた。そんなタイヤじゃ、ガレたらどうにもならないだろうに、初心者がとりあえずダートに突っ込んでみるにはあまり関係なかろう。結局一度もトラクションコントロールの体感もしなかった気がする。それくらい何もわかっていなかった。でも、仲間内で少なくとも3台のオフ車が揃って、あちこちの(フラットな)林道を走り、いよいよオフに傾倒していった端緒である。

 実は、こいつ、状態はよくなかったんだ。
 納車の翌日、嬉々として関東に住むつれと中間ほどの大井川で落ち合うことにしたんだが、東名で天竜川を渡っている最中、追い越し車線で後ろからやたらとカっ飛ぶホンダ・レジェンドがうっとぉしくも、こちらも追い越し中だったので、“ぬふわ”km/hくらいで踏ん張っているその瞬間、ブロロrrrrrrってエンジンが焼き付いた。体が瞬間に反応して、クラッチを握ったから事なきを得たが、タイヤがロックしていたとすると恐ろしい。惰性で橋の先の遠州豊田PAにたどり着き、レンタカーを借りて処理した(もちろん、クレーム対応)んだが、翌日体中が筋肉痛だったよ。全身が緊張したんだろうな。その後、とりあえず四国ツーリングなんかもこなしたんだが、しばらくして名古屋ICから東名に入った直後、またもエンジンブロー。今度は完全に途中で止まってしまって、非常電話をかけても「バイクは対応できません」とふざけた対応。やむなく春日井ICまで押して歩いた。この時もクレーム処理。しかし、2度続いたエンジンブローに、オイル吐出量をやたらと多くされたんだろう、今度はしょっちゅうプラグがかぶって動かなくなるというトラブルに見舞われた。一度など、終電なき時間帯にやむなく1万円ほどかけてタクシーで帰ったこともあった。

 どうも、排気デバイスのシールがよくないらしく(持病?)そこからエアを咬んでいたみたいだね。そのあたりもさっぱりわからない2st初心者だったわけですが。

 と、大変だった記憶が多く、しかもその後改めて乗り換えたCRM250ARは、足付き性はさておき、ようやくそのエンジンの出来の素晴らしさがわかり始め、正直印象に薄い。確かに足はついたが、だからって2足2輪を実践するようなゲロには突っ込まなかったし。せっかくのデジタルメーターも、ハンドル周りの軽さなんてまったく意識したことがなかった。ロードでの印象も、エンジンが完調ではなかったからなんとも不正確だが、とりあえずARに比べると明らかに昔ながらの2stって印象だった。ガツンと来るトルク感も、数値以上にない感じがした。その分、上まで回る豹変ぶり感はあったけれどもね。

 その後いろいろなタイプのオフ車に乗ってみて、今改めて、コンセプトの違いを鑑みてランツァに乗ってみたい、という気持ちはあるにはある。ゲロでは案外トラクションコントロールも有効かもしれない。
 でも、そのトレッキングという用途ならば、おとなしくセローなど4stの方が乗りやすそうでもある。あとは、2stコレクター魂がどこまで出てくるか、だな。