国道ピックとのりもの

スズキ・グース250


主要諸元

全長×全幅×全高(o):1995×710×1055

ホイールベース(o):

最低地上高(o):135

シート高(o):770

車両重量/乾燥重量(s):-/139

乗車定員(人):2

燃料消費率(q/L)50q/h定地走行テスト値:

最小回転半径(m):

エンジン形式:空油冷・4サイクル・単気筒・SOHC・4バルブ

総排気量(p3):

内径×行程(o):73.0×59.6

圧縮比:10.1

最高出力(PS/rpm):30/9000

最大トルク(kgm/rpm):2.6/7500

キャブレター形式:BST33

始動方式:セル式

点火装置形式:

潤滑方式:ドライサンプ

潤滑油容量(L):

燃料タンク容量(L):

クラッチ形式:

変速機形式:6段リターン

変速比・1速:

2速:

3速:

4速:

5速:

6速:

減速比(1次/2次):/

キャスター(度)/トレール(o):°′/

タイヤサイズ前/後: / 

ブレーキ形式前/後:/

懸架方式前/後:-/-

フレーム形式:ダイヤモンド



 ホンダ・ジャズからスタートしたバイク歴、スタイル最優先、アメリカンやストリート系寄りのマシン選びだったのが、道交法上の自動車たるバイクは、たまたまホンダ・CRM250AR、ヤマハ・ジールと走りにシフトしかけた。ただ、ジールはネイキッド群の中では多少個性的なデザインではあったが。実は、ネイキッドって、一番バイクらしいんだろうけど、ぶっちゃけ当時はどれも同じに見えていたんだね。もちろん、オフ車も、フルカウルも、なんだけど。やっぱり基本的に、バイクはアメリカンやストリート系がよかった。ジールはその意味では、CRMほどなじゃいけど、乗っていてしっくりこない感じがどこかに残っていた。
 大学からのバイク仲間も、基本的にはそちらよりで、カワサキ・ZZ-R250を貸してくれたつれも、ストリート系まっしぐらのカワサキ・エストレヤに買い替えたりする。別のつれはホンダ・GB250クラブマンに乗っていたりもする。

 趣味って、カテゴライズから始まるものだと思っている。ただバイクが3台並んでいますよ、ではあまり引っかかるものはないが、そこにたとえば排気量が同じ600tです、とか、何か共通の括りが発生することで、俄然面白味が出てくる。
 その括りが狭く、マニアックになればなるほど、そしてその該当をピンポイントで集めるからこそ、趣味の世界は広がるものだと思う。

 つれが、エストレヤとクラブマンに乗っている。いずれも250tシングルのクラシック系デザインである。ジールは思っていたほど楽しめなかったし(というよりは、腕がなかったんだろうけど)、元々そっち系は好みの領域だ。ってことで、揃えちゃえと買い替えを模索し始める。

 候補としては、スズキ・ボルティやスズキ・SW-1なんかが有力だったんだが、しかし一方で、めちゃ速のCRMやジールに跨ったゆえに、20psほどのパワースペックは心もとなくも思っていた。

 そんな時巡り合ったのが、グース250。

 グースといえば、350が有名である。間違いなく名車の仲間入りであろう。しかし、実は250もラインナップされていたのだ。それも、実売はたったの1〜2年ではなかろうか。DR系ユニットは、SOHCながらきちんと冷却を管理できるからか、1万rpmを許容し、30ps(250)を絞り出す。もちろん、マルチの40psからするとかわいいものだが、しかしでっかいカブという印象しかないエストレヤなどよりはずっと走りも楽しいだろう、そう思ったんだ。
 カタチについては。ネイキッドは、どれも同じに見えていたわけだが(というより、無個性にすら感じていた)、しかしこのグースだけは、バイクに興味なかった時代から巷で見かけて気になっていたんだ。無骨、無機質、すごい塊感、無頼漢みたいな印象。カウルこそないが、レーシーなポジションと、走りに徹して無駄をそぎ落としたような、頼れる頑固おやじって感じ。ストリート系から始まったシングル250t探し、エンジン主導でまた方向性がゆがんできた気もするが…しかし、少々クラシックな感じのレーサー、クラシック調って点では共通項があるのかなぁ、と一人納得し、適当な中古車を入手した。

 このユニットが想像以上においしくてね。カワサキのツインよりももっと、モチっとトルキーなまま、パタパタと1万rpmまで回りきってしまう。もちろん、シングルだから、その上までパヒューンと回り切るって感じはないんだけれど、シングルらしい歯切れの良さそのままに気持ちよく上まで吹き抜けるのは快感である。シングルだが、“ぬあわ”km/hくらいは軽く出た。もちろん、シングルユニット搭載ゆえに、ボディも軽量に仕上げられており、グイグイ押し出されるようだ。剛性もしっかりしており、峠を走らせると、使い切る感とともに、実に楽しいマシンであった。

 で、3台揃ったのか、というと…。実は、グースを入手したころ、クラブマンに乗っていたつれが、ヤマハ・T-MAXに乗り換えたので、残念ながら並ぶことはなかった。

 でも、グースすごく気持ちいバイクだったが、軽く選んだゆえにマシンはあまりきれいじゃなかったから、グースからもっときれいなグースに乗り換えたんだ。もうこうなると、完全にバイク選びにおけるデザインオリエンテッドは終了。グースに跨る自分に一切の違和感も感じなくなり、以後、バイク選びは中身選びにシフトしていく。

 ちなみに、その2台目のグースはめちゃくちゃきれいだったんだが、250tシングルが3台並ばなかったことが心残りで、別の大学の仲間が二輪免許を取った際に譲って、自分はクラブマンへ乗り換えたんだが…実は、それでも3台揃わなかったという、ね。それはクラブマン編へ。