国道ピックとのりもの

カワサキ・KDX125SR


主要諸元

全長×全幅×全高(o):2115×855×1190

ホイールベース(o):1460

最低地上高(o):260

シート高(o):860

車両重量/乾燥重量(s):-/104

乗車定員(人):2

燃料消費率(q/L)60q/h定地走行テスト値:55.5

最小回転半径(m):2.2

エンジン形式:水冷・2サイクル・単気筒

総排気量(p3):124

内径×行程(o):56.0×50.6

圧縮比:8.0

最高出力(PS/rpm):22/9500

最大トルク(kgm/rpm):1.9/8000

キャブレター形式:PE28

始動方式:キック式

点火装置形式:CDI式マグネット点火

潤滑方式:分離潤滑方式

潤滑油容量(L):1.2

燃料タンク容量(L):9.0

クラッチ形式:湿式多板

変速機形式:常時噛合式6段リターン

変速比・1速:2.727

2速:1.733

3速:1.277

4速:1.000

5速:0.880

6速:0.807

減速比(1次/2次):3.272/3.466

キャスター(度)/トレール(o):26.5°/98

タイヤサイズ前/後:70/100-21 44P/4.10-18 4PR

ブレーキ形式前/後:油圧ディスク/油圧ディスク

懸架方式前/後:テレスコピック式(倒立)/スイング・アーム式(ユニ・トラック)

フレーム形式:-



 これまでバイクには、三十数台乗り継いできたのだが、そしてその中には外車も数台含まれるのだが、カワサキに関しては縁がなくて、このカワサキ・KDX125SRが初めてである。それこそ最初のロングツーリングの際は、ホンダ・CRM80と共にカワサキ・KSR2なんかも考えたし、CRM80を買った時にもこのKDXを天秤にかけたりもしたが、なぜか巡り合わなかったんだけれど。

 私がオフの世界に巻き込んだ大学のつれ、一時は軽1BOXをトランポにして、複雑な立体パズルを解きながらこのKDXを連れまわしていた。しかし、結婚を機に手放すという。で、頂戴したわけ。これまで無縁だった割には、きっかけは意外にもあっさり。

 2st125tってのは、22psが自主規制値、トルクは2kgm前後と、それこそ250t単気筒SOHCと同等のパワースペックを誇る。CVTで抑え込まれ、重量物をまとうビッグスクーターなんかよりは、はるかに速い。というか、高速道路を走れないことを考えると、公道においては明らかに過剰なパワースペックと言えるだろう。
 ホンダ・CRM250ARなんかと比べると、全然かわいいものだし、何より低速でのトルクの細さはいかにも125tだなぁって感じるところだが、ゆえに軽く吹け上がってバビューンと2stらしく加速してく様は、絶対的な速さはさておき面白くて快感である。

 そしてウェイト。ARも、114sと破格の軽さではある。KDXは、104sと、たった10sしか違わないのだが、100s前後における10sは大きい。明らかに一回り軽い。
 残念ながら、こいつを手にしたころにはすでに、さらにさらに軽い89sのホンダ・TLM220Rと79sのCRM80に乗っていたから、オフにおいても優位性を感じることはなかったけれども。それでも、オフでも、ARよりはずっと走りいい。本来、本気でオフを攻めるならば、スタンディングこそが正しいライディングフォームであり、その意味で足付き性、低いシート高というのは必要ない機能である。むしろ、最低地上高を犠牲にしてほしくないので、シート高は二の次であるべきだ。でもね、腕のない人間にとっては、まず怖いんですよ。その恐怖心を拭い去るのに、低いシート高はめちゃくちゃありがたい。二足二輪はできるだけ避けるとしても、スタンディングからいざというときパッと足を出せばすぐ地面に届き、体制を整えられるというのは、なんと心強いことか。アシもフルサイズが奢られており、ダートでも比較的安心してとばせる。
 高速道路は走れないから、長距離まで考慮すると、ARも捨てがたいが、それを外せばKDXは、やはり最適解かもしれない。ロードでも何のストレスもないし、CRM80ほど窮屈な設計(ポジションやタンク容量など)でもない。ハンドルに手をかけて長す感覚は、まさしく「肩ひじ張らず」である。

 オフもそれなりに楽しいんだろうが、よりゲロ向きのマシンを持っていることから、こいつにはオン寄りのダンロップD604を履かせてしまった。十分なパワーと遠出もこなす車格の余裕から、酷道探索にもっとも向いているのかな、なんて。
 ただ、タイヤはさておき、そこそこのウェイトでフルサイズの足を持ち、荒れてもうまくショックを吸収、ギャップはそこそこ強引にも進める奥の深さがあるのは事実。ちょっとエンジンが、高回転に振りすぎていて、ガレで半クラを多用するといった走りには向いてなさそうだが。

 さすがに、積み込む大変さを見ていたから、KDXのために軽1BOX…なんてことは思わぬし、トランポするんだったらやっぱりCRM80でいいんだけど。フェリーをうまく利用して四国の酷道時々林道なんかを探索するにはもってこいの車両かもしれない。

 あと、なんとなくだがカワサキのフィーリングは、好きかもだね。