主要諸元 |
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全長×全幅×全高(o):1990×715×1045 ホイールベース(o):1370 最低地上高(o):135 シート高(o):735 車両重量/乾燥重量(s):-/145 乗車定員(人):2 燃料消費率(q/L)50q/h定地走行テスト値:51.0 最小回転半径(m):2.5 エンジン形式:水冷・4サイクル・4気筒・DOHC・4バルブ 総排気量(p3):249 内径×行程(o):48.0×34.5 圧縮比:12.0 最高出力(PS/rpm):40/12000 最大トルク(kgm/rpm):2.7/9500 キャブレター形式: 始動方式:セル式 点火装置形式:TCI 潤滑方式:強制圧送ウェットサンプ 潤滑油容量(L):2.7 燃料タンク容量(L):15 クラッチ形式:湿式多板コイル・スプリング 変速機形式:6段リターン 変速比・1速:3.090 2速:2.214 3速:1.684 4速:1.380 5速:1.173 6速:0.956 減速比(1次/2次):2.542/3.352 キャスター(度)/トレール(o):24°00′/84 タイヤサイズ前/後:110/70-17 54H / 140/70-17 66H ブレーキ形式前/後:油圧ディスク/油圧ディスク 懸架方式前/後:-/- フレーム形式:- |
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とりあえず最初のツーリングのため、ホンダ・CRM250ARを手に入れ、そして豪快にも長野に行った。ろくに準備もせずに。無茶もいい思い出。仲間は大学時代の友人で、一人を除いて皆免許は取り立て、バイクも入手したばっかというフレッシュな状態で、マシンを乗り換えてみようって話になる。 そこで乗せてもらったカワサキ・ZZ-R250がすごかった! 5.0Lもあるくせに、パワースペックはランエボにも劣るようなアメ車に乗ったことある私は、馬力にはあまり意味を見いだせず、トルクの方が気になるスペックだったんだが。馬力とは、トルクに回転数を掛けた値。トルクは回転力すなわちまさしく前へ押し出す力と直感的に結び付く。パワースペックの大したことないアメ車は、太いトルクによって豪快に加速する。だから、馬力なんかどうでもよくて、トルクこそもっと大事にするべきだ、とそう信じていた(今も少し)。 250tという枠組みでは、4stのトルクはせいぜい2kgm代だが、爆発機会が2倍の2stなら軽く4kgm近くを叩き出す。実際、軽さも含めCRM250ARは、仲間の250tより圧倒的に速かった。むしろ、加速に関しては600tにも迫る勢いだった。 で、乗せてもらったZZ-Rも、最初はなんかぬるい加速だなぁ〜程度でパッとしなかったんだが…。滋賀草津道路に入り、前方が開け、スパッと長い登りに差し掛かって、思いっきりアクセルを開けた。 そしたら、世界が変わったんだ。 ZZ-R、今のニンジャにも続くカワサキお得意のツインは、1万rpmを超えてなお、バビューンと加速する。なんなんだ、この力強さは?これが、回転で稼ぐ馬力の正体か!! 四輪では、上まで回す機会がないんだろうね。でも、250t程度のバイクなら、レッドゾーンまでぶん回して、その領域を使い切ってこそ、醍醐なのだ。 元々CRMに思い入れがなかった私は、戻ってすぐ、250tで高回転型のマシンを物色することになる。当初は、まだアメリカンへのあこがれもあったから、カワサキ・エリミネーター250Vなんかが結構本命だったんだけれど、見に行った店で、10万円くらい安くて、とてもきれいで、ちょっと変わったデザインのジールをチョイスしたんだ。 「ジジババ戦争」なんて言葉もあったっけ、ネイキッドブーム到来で、250tクラスではホンダのジェイド、ヤマハはジール、スズキはバンディット、カワサキのバリオスがしのぎを削っていたなんて、今この冷え込んだ市況からすると夢のような話だな。 ただ、私の腕はその贅沢さを味わうにはまだまだ未熟だったなぁ。峠を、1万rpm超を維持しながらギアチェンジを繰り返し、コーナーを駆け抜ける…なんておいしい走りはほとんどできなかった。逆に、高速道路を使うケースが多くて、すると、結局250tじゃしんどいのよね。タンク前部にある小物入れは重宝したけど。 そして何より、ZZ-Rで味わった、高回転域での豹変ぶりというのがイマイチ感じられなかったのが、琴線に触れなかった。ZZ-Rはツインだからか、低回転域では比較的もっちりとしていて、それがそのままバビューンと突き抜ける感覚が楽しかったんだが、4発になると、低回転域はスカスカで、よく言えばモーターのようにあまり性格を変えずに澱みなく下から上まで回りきるといった感じで、面白味を感じなかったんだ。 本当、わかってなかったんだな。 それでも、排ガス規制でがんじがらめになり、メーカーも体力を失ってしまった今となっては、250tマルチなんて贅沢を味わえて、本当いい経験だった。 |