主要諸元 |
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全長×全幅×全高(o):2090×685×1035 ホイールベース(o):1355 最低地上高(o):155 シート高(o):755 車両重量/乾燥重量(s):46/132 乗車定員(人):2 燃料消費率(q/L)50q/h定地走行テスト値:52.2 最小回転半径(m):2.4 エンジン形式:空冷・4サイクル・単気筒・DOHC・4バルブ 総排気量(p3):249 内径×行程(o):72.0×61.3 圧縮比:10.2 最高出力(PS/rpm):30/9000 最大トルク(kgm/rpm):2.5/7500 キャブレター形式:VE17 始動方式:セルフ式 点火装置形式:CDI式点火マグネット 潤滑方式:圧送飛沫併用式 潤滑油容量(L):1.8 燃料タンク容量(L):15 クラッチ形式:湿式多板コイルスプリング 変速機形式:常時噛合式6段リターン 変速比・1速:2.923 2速:2 3速:1.55 4速:1.304 5速:1.125 6速:1 減速比(1次/2次):2.826/2.714 キャスター(度)/トレール(o):26°30′/96 タイヤサイズ前/後:90/90-18 51S / 110/90-18 51S ブレーキ形式前/後:油圧式ディスク/機械式リーディングトレーリング 懸架方式前/後:テレスコピック式/スイング・アーム式 フレーム形式:セミダブルクレードル |
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スズキ・グース250がごっついよかったんだけれど、当初の目標たる、クラブマン、カワサキ・エストレヤと共に250tシングルを3台揃えるという夢は、クラブマンに乗るつれが手放したことによって実現しなかった。 しかし、別のつれが免許を取ったということで、手ごろなマシンを探しているという。 ならば。小生がグースをそいつに譲って、で、小生が改めてクラブマンを調達すれば、3台並ぶじゃ〜ん!ということで、決行。グースはとてもとてもよかったが、身内に譲るんだしあんまりおかしな結果にもなるまい、とね。また、クラブマンは、それはそれでカタログスペックはグースと似ていて、存分に楽しめるだろう、とも思っていた。 果たして入手したクラブマン。シングルながらRFVC(放射状バルブ)のDOHCユニットは、ホンダらしく高回転までスカッと回り切ってしまう。1986年デビューで、当初はそんな意図はなかったようだが、その後のネイキッドブームからすると、悪く言えば取り残された、よく言えばレトロ調のスタイルが個性となって90年代後半まで生きながらえたマシンだ。 ボクなんかがバイクに興味を持ち始めた90年代中盤には、すでにエストレヤやスズキ・ボルティ、あるいは排気量が異なるがヤマハ・SRと同系列に語られることが多かったマシンだが、デビュー当初はあくまでもバリバリのロードスポーツとして推していたみたいで、そのあたりはSRなんかも事情が似ている。 ボクもバイクに乗り始めたころまでは、クラブマンはどちらかというとストリート系のイメージを抱いていたけれど、逆に入手するころには、デザインはともかくパワースペックには期待をかけていた。 しかし、実際に乗ってみると、ちょっと期待が過剰だったようだ。確かにパワースペックはグースと同じ30psを叩きだすし、トルクもわずかに0.1kgmのちがいしかない。発生回転数も同じである。けれど、グースのモチモチっとした力強さとは異なり、スルスルっと抵抗感なく上まで回ってしまう感じなのだ。好きな人には、澱みなく吹け上がるという意味ではクラブマンの方が好ましいかもしれない。しかし、上まで回り切る感は大して変わらないのなら、下からモチッとしているほうが扱いやすいし、軽く回転するのはなんだかフ抜けた感じがして、個人的にはグースの方が圧倒的によかった。 それから、フレーム。これも、グースとでは数年の違いしかないのだけれども、クラブマンはいかにも古いというか、ガチガチと剛性感のない印象が丸わかりで、峠を責めたりなどするときに心もとなかった。 ま、クラブマンには責任はないのかもしれん。古さはさておき、ホンダも後半は、ビンテージルックを売りに販売していたわけだしね。 やや辛口になっているのは、グースとの比較があってのことである。スタイルに合わせ、さほどタイトではないコーナーを、カフェレーサーを気取って流す、というのが本来の乗り方なのだろう。エンジンだって、グースの後では上記感想となったが、(普通二輪)免許取り立てでつれに乗せてもらったクラブマンでニュータウンに登る坂道を、アクセルをグワァ〜って開けると、歯切れ良いエキゾーストノートの高まりとともにバビューンって加速していって、そこで初めてエンジンを回す楽しさを知ったのだから(本格的には、ZZ-R250からかもしれないけれど)。 さて、インプレはさておき、念願の250tシングル3台そろい踏みは…というと、やっぱり実現しなかったのだ。 クラブマン、納車直後にプラグか何かが腐って動かなくなり、クレーム処理してもらった。その時の工事がいい加減だったらしい。いよいよツーリング。ボクだけ一日遅れで合流地点に向かって北陸道を走っていた。どうも伸びが悪いなぁ…北風の影響かなぁ…なんて考えながら、尼御膳SAで休憩し、再スタートしようとすると、もうエンジンがかからない。うんともすんとも言わない。見たら、キャブからエンジンオイルが垂れてきている。どうも、逆流してオイルが足りなくなり、焼き付いたようだった。このバイク、全国チェーンで買ったマシンだから、もちろんクレーム対応で、積車で迎えに来てもらって、合流ポイントの金沢には、人だけがたどり着くという。 そしたら、合流隊の方も、よりによってグースが高山で派手にこけたという。人間は無事だったが、とてもではないが自走できる状態じゃなく、マシンは高山のバイクショップに預けてきたそうだ。 なんと、バイクが2台も少なくなっているという…。 結局、クラブマンは直してしばらく乗ったけれども、どうにも信頼ができず、動力性能も過剰な期待だったために、早々に手放した。また、グースはフレームが逝ったらしく、かわいそうに現地でそのままお亡くなりになったそうだ。 今でも、同一カテゴリーのマシンを並べたいなぁってのはあるけど、でも、250tシングルって筋はもうないだろうなぁ。 |