国道ピックとのりもの

菊水・札幌ラーメン寒干し醤油



入手日時 2013.09.27
入手場所 アル・プラザつかしん(尼崎市)
製造者 株式会社菊水(江別市工栄町19-6)
購入価格 118円

 菊水というのは、江別市に本社があり、現在は伊藤ハムの子会社のようである。少なくとも生麺については、ご当地というにはちょっと無理があるくらいに、ある程度どの地域でもスーパーなどで手に入る。
 この生麺もなかなかの美味なのだが、「寒干し」と銘打った袋麺は、北海道ではざらに見つかるらしいが、このあたりではめったに手に入らない。通販では比較的大々的に販売しているようだが、ちょっとラーメンを通販というのも、敷居が高く、ご当地モノと呼んでもいいのではないか。

 近年、東洋水産の「生麺」が、長年固定していた袋麺シェアをひっくり返し、業界では一種の革命的出来事として騒がしいが。確かに、生麺(せいめん)は、それまでのあからさまに油で揚げました感はなく、驚きではあったけれども、(少なくとも知っている範囲で)20年以上前から、袋麺のくせにえーらいうまいラーメンがあるなぁと認識していたのが、この菊水のラーメン。寒干しとは、揖保のソーメンを参照に、「低温熟成寒風乾燥法」を採用したとのこと。ようはノンフライの一種なのだが、これがめっちゃうまいんじゃ。カップ麺で「麺づくり」などのノンフライのような、無理やり感あるゴムみたいな硬さもなければ、生麺(せいめん)みたいな生の麺を期待したら「惜しい」感もない。生の麺です、と言われても、気づくまい。
 かんすいのやわらかい風味がふわっと口中に広がり、コシはしっかりあり、しかも歯で咬み切った際のプチプチ感も、なんの違和感もない。また、スープは液体でついているのだが、豚のくさみ部分をきれいに取り除いた、いい香りだけが残ったような風味もたまらない。もしラーメン屋さんで、これが500円ですって出てきたら、リピートするかもしれない。

 残念ながら寒干しは本当に手に入らないまま、記憶にしっかり残り続けていたのだが、ふと、尼崎市にあるつかしんの平和堂に寄ってみたら、何年振りだろう、パッケージングこそイメージが変わっていたものの、見つけた。


(ネギ、チャーシュー、卵は別)


 久々に食した寒干しラーメンは、まさしく受験勉強(しているふり)の間に小腹を満たした夜食の、あの感動の味そのものであった。生麺(せいめん)が登場してなお、圧倒的にホンモノ感が強い。また、菊水の生麺(なまめん)は手に入るとはいえ、製法からか細めの麺は、また独自である。


 時を越えてうまいラーメンだった。


 資本力の違い、といえばドライになるか。生麺(せいめん)は、確かにうまいと思うが、世間がこれだけ大騒ぎするんなら、もっともっと菊水寒干しも取り上げられてもいいようなもんだが。あるいは、藤原製麺は、似たような系統らしいが、あちらはコラボものだったりイメージ戦略がうまいみたいで、そっちはポロポロ見かけるんだが。

 菊水にしたって、伊藤ハムがついてるんだから、もっとうまく商売したらいいのに。もちろん、それは小生含めうまいラーメンが手軽に楽しめる人がたくさん増えるという点で、世の中にとってもすごくいいことだと思うんだけどな。